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【番外編】ohne sein Empfindung

Posted by チカ on 29.2010 *Roman(小説)* -煉樺-   4 comments
このお話は小説【ohne sein Empfindung -想い-】の番外編の話となっております。
BLのゆるい(?)エロありなので苦手な人は読まないでくださいね?
大丈夫な方は続きからどうぞ



【Eine gerechte Ursache -大義名分-】


 薄暗い闇に照らされた一つの明るい灯り。それはまるで円を描くようにゆらゆらと揺れていた。
あたりはしんとしており、時折呻き声に似た声が聞こえていた。そしてその声に反応するかのように影が動いている。影の周りは次第に熱気に包まれていき、冷えきっていた部屋も徐々に暖かくなっていった。
一つの影が動くと鉄が激しくぶつかるような音を立て、シーツが所々に皺になる。ベッドが大きく前後に軋み、紅い色が辺りに滲みついた。
その色を確認するかのように影は眺め、満足そうに吸いつく。その行為は何かの儀式のように行われていた。

*

 朱に染まった空に生温かい風。これが心地よいと感じるのはこの世界に住んでいる者たちだけだろう。この不穏な空気でさえ懐かしい何かを感じている。だが場所によっては水がなく、荒れた大地が広がっている。いくら心地よい空気でもこの大地には住めないだろう。そこには積み重なれた屍あった。動かなくなって幾日か経っていたのだろう。腐敗が進み、魔獣さえも近づかない。
 しかし、その屍に近づく一人の姿があった。
 赤い髪、深紅の瞳の持ち主。その瞳は鋭く、冷たい印象を受けるがまた人を寄せ付ける色気も備わっていた。
その青年は屍を見下ろし、ただ静かに見つめている。見下す様に、そして何かを言いたげにその場に立っていた。

 赤い髪の青年はふと何かに気づいたように空を見上げた。
視線の先には、蒼い髪の青年、自分と同じ顔をしている人物がいた。
「気づくのが遅いんじゃないのか?朱魏」
「……炬魏。こんなところに何の用だ?俺の見張りとは随分と暇なことしているんだな」
「見張り?まさか。俺はそんなに暇じゃない。俺は王の命令の帰りにここを通っただけだよ」
「……なるほど?」
 何か意図を含むような言い方に朱魏は察しがついた。
 今まで二人は王の元で命令に従って動いていた。はぐれ悪魔という王につかない者もいるが、そんな者の存在は問題ではなかった。王側についている以上、主である彼の命令は絶対だ。
そして炬魏もまたその命でここにいる―。

「バルベリトも王の側近とはよく言ったものだな。さっさと始末すればいいものを。お前がやらないなら俺が手を下してやってもいいぞ?」
朱魏は隻眼の瞳を光らせた。その瞳は深紅に光っており、下等悪魔ならすぐにでもこの目の前の男に平伏すだろう。血に飢えた悪魔とはよく言ったものだ。炬魏は弟の眼光に怯むことなくそう思った。
「あれもまだまだ使い道があるからな。下手に侯爵を減らすことはないだろう?それに―、駒が減ると余計な仕事が増える」
「俺は構わないがな」
そう言いながら手を翳した。すると彼の手が光りはじめ、周りから勢いよく炎が立ち始めた。その炎を屍に一気に放ちはじめる。屍は炎に囲まれバチバチという音を立てて燃え始めた。腐敗して水気もなくなっているためよく燃え、塵となって空へと舞い上がる。炬魏は舞い上がった塵を静かに見つめていた。
「朱魏も律儀なことだな。掃除屋みたいな面倒なことまで引き受けるとは。こんなもの他の者にやらせればいいものを。お前でなくとも誰でも務まるだろう。王のご機嫌とりか?いままで王の側を離れなかったからな、お前は」
朱魏は炬魏を睨んだ。そして彼との距離を縮めた。
「そういうお前も王の側から離れないだろう?何が目的なんだ??」
「目的ー??息子が父親の側にいるのはおかしいのか?」
「………」
炬魏はくすりと軽やかに笑った。すると今度は炬魏の方から近寄り、顔を近づける。
そして朱魏の耳元で囁いた。
「あの少女はこの世界の礎だと王は言った。ひょっとしたら俺達だけじゃなく王も超える存在にもなりかねない。王は手元に置いて見張っておきたいんだ。覚醒を望んでおられたのは王なのに矛盾していると思わないか?」
「どういうことだ―?」
朱魏は炬魏の胸倉を掴んだ。ふと見るとその腕には赤く染まった傷があった。炬魏は朱魏の腕を掴みとり、舌で傷口を這うように舐める。その腕に痛痒さを感じた。
「自分で聞いてみたらいい、王に直接な。どうせ今夜もお相手があるんだろう―?悪魔とは言え、王につけられた傷はなかなか癒えない。そして癒えたらまたつけられる。まるでそれを愉しんででいるみたいに。お前は王のお気に入りの可愛い狗だからな」
「………」

 二人は父である王の双子の息子であった。故に王の命令は絶対であり逆らうことは許されなかった。それは他の悪魔にもいえることである。弱肉強食、この魔界では力がすべてとされている。そして欲求にも従順だ。
(もとより逆らう気など俺には……。だが……)
 炬魏の言葉に返す言葉がなかった。というより、返す気にもなれなかったと言った方が正しかった。
だが、朱魏は少女の事が気になり始めていた……。

*

 そこは冷たい空気が並べられた装飾を伝っていた。光が射し込みキラキラと光っている。それは品の良さを現わしていた。そしてそれを無心に肌に感じるかのように椅子にゆったりと座っている姿があった。その姿は光に照らされ更に威厳を放っているように見える。普段は黒に見える長い髪も光の加減で銀髪に見えた。
次第に空気の流れが変わって行くのを感じたが、気にすることなく指を遊ばせ口を開いた。
「ベガを連れて来たのか?」
「気配でわかるくせにいちいち聞かないでください」
炬魏は苦笑しながら答えた。
「用件は」
「用がなければ来ては駄目なのですか?」
「用がなければお前は来ない」
くすと炬魏は笑い、確かにそうですねとだけ答えた。
「朱魏のことで、お耳に入れておいてほしい事が。言いましたよ、俺。ベガのことを。朱魏があまりに貴方に一途なので可哀相に思えて……ね。可愛い弟ですから。飼犬に手を噛まれないことを祈ってますよ、父上」
そう伝えると踵を返し去って行った……。父と呼ばれた男は興味もなさそうに蒼い髪の青年を見つめていた。


【Eine gerechte Ursache -大義名分-】<完>

こちらも小説がーーしかも、番外編がーー!!!!
兄兄弟達の事がこれからわかるのですねwwww
Aブロもふまえると、何だかこっちのシリアスが、可笑しく感じますが、それはそれでとってもオイシイですよ・:*:・(*´エ`*)ポッ・:*:・
魔王とか、やーいろいろ関係とか、これからの展開とか楽しみですwww
2010.06.29 12:20 | URL | 咲蒼 #mQop/nM. [edit]
>咲蒼サン
読んでくださってありがとうございます^^ずっと触れたかったことが書けてちょっとほっとしてますv
確かにAブロの方のコメディを思うとギャップがありますよね( ´∀`)ヵヵヵ 魔界編はシリアスだったりしますvv 人間界編はそれぞれ3人とも愉しんで過ごしてることでしょう~。ガタが外れたか??(笑)
まだまだ謎が残されたままなので徐々に進められたらと思いますv
2010.06.29 14:37 | URL | チカ #- [edit]
こっちの炬魏さま、こえぇぇぇ(゚Д゚)
Aブロがアレだったからwやや、もしかしてあのお茶目なカンジも裏があるのかしらと思ってきました!
兄さま達、奥が深いなぁぁぁ!
2010.07.03 17:41 | URL | キュキュ #- [edit]
>キュキュサン
読んでくださってありがとデス! あっははh。炬魏もナニ考えてるかわかりませんよねー。
Aブロとのギャップありすぎ^^; いや、あれは純粋に愉しんでいるだけかと…(ぇ゛v
朱魏の方がまだ可愛げがあるかもデス( ´∀`)ヵヵヵ
どちらにしても煉樺は大変ダ(笑)
2010.07.07 16:48 | URL | チカ #- [edit]


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