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ohne sein Empfindung -想い- 最終話

Posted by チカ on 07.2010 *Roman(小説)* -煉樺-   4 comments
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前回の話はこちらから→
最初から読みたい方はこちらからお願いいたします→


第10話より咲蒼サンのブログ”アカツキのツバサ”とリンクされております。リンク先はこちら↓
+++SAKU*SO+++fc2アカツキのツバサ
合わせてお読みください。それぞれの世界観、視点となっておりますのでご了承ください。
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第13話
-想起-
 
「 わたし……、今までどうして……?? 」
 虚ろな瞳でキョロキョロと辺りを見回す。しかしその目にはしっかりとした生気がみられた。
そして近くにいたヒュームに気付き言葉を交わした。
「 わたし、生きてるの?どうしてー?? 」
「 君が何故生きてるのか僕にはわからないよ 」
 少女を一目見、肩をすくめる。
自分が行った行動も忘れているかのような言葉にヒュームは罪悪感を感じているかのようだった。
「 ……なぜ戻ってきたの?あのまま消えていなくなっていればよかったのに 」
 その顔は今まで見ていたヒュームの寂しい顔だった。
ベガヴァーチェはそんなヒュームの顔を見つめ意地悪そうに言った。
「 ヒュームに仕返しをしに帰って来たといったらー? 」
「 ……そう。それもいいかな。君は覚醒して力を得た。僕を殺すことなんて造作もないよ。あの塊達のようにー 」
 ベガヴァーチェは目を大きく見開く。そしてー

パシっ!!

 ヒュームの頬に小さな掌が当たった。何が起こったのか一瞬分からなかった。
「 ……そうよ。あれはわたしがやったの。でも、ヒュームだってっ!わたしのこと知らなかった!何もしなかった!わたしだってっ、わたしだってっ!! 」
 少女からは嗚咽が漏れる。少女の顔はみるみる赤みを帯びて行く。
ヒュームは驚きを隠せなかった。それは少女から見る初めての感情だった。
「 本当はあれはわたしがやったなんて思いたくない!!とっても苦しいっ。でもわたしにはやることがある、だからここにいる。そうでしょ?! 」
「 ……君に何ができるの?まだ少女の君に 」
 ヒュームの言葉に少女はしゅんと俯いた。
「 ……そうだね。わたしはまだ子供なんだし、そんな力があるとも思えない。でもそれは理由にならないよ。何もしないうちから諦めるのはよくないと思う。ヒュームはわたしにそれを言いたかったんでしょ?何かさせたくてここに来させたんじゃないの?! 」
 少女は感情を抑えられなかった。今までの想いが爆発させたかのように溢れ出した。
これが少女の本来の姿なのだろうと思った。物事をまっすぐに見据える赤い瞳に飲み込まれそうな感じさえしていた。
「 ……そうだね。でも君はもうここでやることなんてないよ。気付いているかい?
君がここに来てから周りの雰囲気が変わったことに。大地が次第に騒がしくなってきている 」
「 え…・・・? 」
 ヒュームに言われて少女は改めて周囲を見回した。少女が気を失う前と違った心地よい風が吹いていた。
木々も風に誘われるようにざわついていた。
「 君の役目はもう終わったよ。そして君の居場所はここじゃないー 」
「 …… 」
 少女は沈黙した。肌にあたる心地よい風は懐かしい気がしているものの、自分はここにいてはいけないような気がしていた。
「 さぁ、君は戻るんだ。魔界の大地が君を呼んでるよ 」
途端ベガヴァーチェの身体が青白く光りを放つ。ヒュームが呪文を唱えているようだった。
「 ヒュームは?!戻らないの?! 」
「 僕の居場所はここだから。それに、戻っても僕は炬魏様に殺されるだけだよ。命令に逆らったからね。さようなら、ベガ 」
 別れを告げたその顔はいつもの人懐こい笑顔をしていた。
次第に楽園は消え去っていき少女は上空へと飛ばされていた。少女はとっさに二枚の翼を広げ、辺りを見回した。だが楽園は完全に見えなくなっており風が少女の周りを囲んでいた。
「 ヒューム!! 」
 ヒュームとの突然な別れに少女は戸惑いを隠せなかった。
だが自分は前を向かなきゃいけない。
 
 自分は悪魔だ。自分の帰るべき場所は楽園ではない。荒地が続く大地だ。そこで生まれ育ち、今まで生きてきたのだから。居場所がないのなら自分で作る。そう、少女は心に固く誓ったのだった。
 
 少女は二枚の美しい黒い翼を羽ばたかせていた。まだ翼を使うことに慣れていないせいかバランスがうまく取れていない。目的地に近付くにつれ飛行に自信を持てたかのように飛んでいた。
空に浮かぶ黒い翼は幼いながらもまさしく悪魔の姿であった。
少女が大地を見下ろすといつもの光景がそこにはあった。動かなくなった塊の残骸が転がっている。
そしてそれに群がる鳥達。それから掃除屋と呼ばれている者たちがいた。
悪魔は欲求に従順だ。この行為に自分は納得はいかないが、ある意味わかりやすいのかもしれないと少女は思った。

 ふと少女の身体は一か所に留まる。荒地だった大地はいつの間にか石垣に変わっていた。
品のよい外壁に囲まれた建物。その周りはこれまで少女が見てきた土壌とは違っていた。
植物が育ちそうな生きている土。誰かが手入れしているようだった。そしてその場所にいたのは一人の青髪の青年だった。少女はその青年の元へと降り立った。
「 おかえり、ベガ。戻ってくると思ったよ 」
 少女に言葉をかけたのは少女の兄、炬魏だった。少女を笑顔で迎えていた。
「 わたしの帰る場所はここだから。そうでしょ?炬魏 」
「 もちろんだよ、ベガ 」
 炬魏は少女の答えに満足そうに笑みを浮かべる。
「 王がお待ちだ。ベガに会えることを心待ちにしておられる 」
 王という言葉に緊張が走った。バルベリトに捕われる以前は王の元にいたが、やはり自分の父といえど緊張するものだった。
だがそんな緊張を振り払って少女は颯爽と城の中へと入って行った。
案内された先は王のプライベートルームだった。部屋は殺伐としており、無駄なものは一切ない。バルベリトの城とは違って異臭は全くなかった。
ベガヴァーチェは恭しく頭を下げた。
「 戻りました、王 」
 王と呼ばれた人物は黒とも銀ともいえる長い髪をしており、少女と同じ赤い瞳を持っていた。
王は椅子に座ったまま少女を見ている。そして口を開いた。
「 ベガ、お前は覚醒した。これからは煉樺と名乗れ 」
「 どうして? 」
 炬魏はくすりと笑った。
「 相変わらず王は言葉が足りなくていらっしゃる 」
 王は訂正したように言いなおした。
「 お前は喋りすぎるようだな、炬魏。覚醒後は名前を改名するという掟だ。なぜかは自分で考えることだな 」
「 ?? 」
 煉樺は王の言っている意味がいまいちよくわからなかった。だが王の言うことは絶対だ。
「 これから城に閉じこもってる日々はなくなる。覚悟しておけ 」
 煉樺は王の意図を察した。自分としても城に留まる気はなかった。絶対とされる王の命令。
これからどんな命令が下されるのかわからないが、今はもう恐れるものはないような気さえしていた。
いや、なんとかなる。そんな漠然とした思いがしていた。
あの楽園での出来事は夢のように思う。でも夢じゃない。何か大事なものを忘れているような気さえする。
それが何なのか少女にはわからなかった。でもなぜだか希望が持てるのはどうしてなんだろう?
 
 煉樺は希望に満ちた憂い顔で空を仰いだー
再び出会うこととなろう夢に出てきた少年の声に想いを馳せながら・・・
 
ohne sein Empfindung -想い- 完
 






うんうん、最終回お疲れ様でしたーーー!!!覚醒したベガ(煉樺)ちゃん、、表情や感情がとっても豊かで、ああーやっと煉樺ちゃんだーって思えて安心しました・:*:・(*´エ`*)ポッ・:*:・最初の暗黙した雰囲気から明るくなって最後はハッピー?な展開がホッとしました!!
しかしーこれからいろいろ煉樺ちゃんには待っているのでしょうね~ツバサとも会える事を楽しみにしています。
2010.03.08 10:14 | URL | 咲蒼 #79D/WHSg [edit]
咲蒼サン。
やぁーっと終わりましたよー!
覚醒して表情を取り戻すことができてよかったデスー。・゚・(ノД`)
怒ってる方が煉樺らしいデスよねーvv 最初から救いようがなかったのでどうなることやらーと思ってたけど(苦笑) ワタシにしては周りの主要人物も殺さずに頑張りましたよっ(笑)
その変わりに雑魚が死にまくってますけど・・・(;´∀`)ヵヵヵ
これからの煉樺はどうなるんでしょうね?あらたな試練が待ち受けているんでしょうか? 
あの楽園に残ってるヒュームも気になるところデスけどvv ツバサクンにも早く会えるといいな?
ここまで書けたのは咲蒼サンのおかげデスー!
大分待たせてしまいましたが^^; 本当にすみません。そしてありがとうございましたっ!
感謝感謝デス!!
小説って書いているうちに成長するものデスよねー。文章情景の伝え方とか、本当に勉強になりました。まだまだ未熟なんデスけど。その割に詰め込み過ぎてしまって、収集つかなくなるパターン。自分の力量を知れってな感じデス。しかも人物情景が多すぎて周りの情景背景が上手く伝えられないの。。。まだまだ精進しなきゃデス。
2010.03.08 11:39 | URL | チカ #79D/WHSg [edit]
いえいえ、、そんなことありません。チカちゃんが頑張っているからですよー私もこうして煉樺ちゃんの過去のお話が読めるのはうれしいですw
殺さずにwwwって私も殺しはしないが、主要人物を虐めたくなる様な性質で不幸な話ばかりので、その気持ちは何となくわかりますww(苦笑)
お互いこれからも頑張ってオリジやってゆけたらいいですね!こう身近のチカちゃんが頑張っているのをみると私も刺激されます!煉樺ちゃんの続きの話もとっても楽しみにしていますよーー!!!!ありがとうございました!
2010.03.08 12:22 | URL | 咲蒼 #79D/WHSg [edit]
咲蒼サン。
うう。そう言ってもらえると嬉しいデスよー><
もっと早く頑張れないものなのかーってな感じデスけどね。ホントギリギリになって;
でも一段落ついてホっとしておりますー。
やっぱり苛めたくなっちゃいますよねっ!!愛ゆえデスよっ!可愛い子ほど千尋の谷につきおとすっていうし(笑)
うんうん!ホント周りでオリジが活発になってると刺激されますよねー。
皆サン、頑張ってらっしゃるなぁv 煉樺の続きもサクサク進められたらいいなぁと思ってますー。こちらこそありがとデス!!
2010.03.08 16:00 | URL | チカ #79D/WHSg [edit]


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