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Ohne sein Empfindung -想い2部- 「策略」

Posted by チカ on 03.2012 *Roman(小説)* -煉樺-   0 comments
はぃー、長らくお待たせ―って待ってないか。
一年以上放置していたので内容なんて覚えてませんよね^^;
ワタシが覚えてなかった…ことはないんデスが、ちょっとだけ前回のあらすじを。

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【あらすじ】
1部で覚醒し感情を取り戻した少女煉樺。
外に出ることを禁止されていたがある日、
牢から逃げ出した(自分の命を狙っていた)バルベリトを捕まえ処刑することを父から命令された。
さて、どーする!?

第一部は目次よりお願いします→
前回の話はこちら→
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


第二部

第2話
-策略-


 薄暗い暗闇の中、一人の男がいた。部屋にはライトが備わっているが、つける気はない。
異質な空気があったが、それはこの部屋のせいではなかった。男はふと何かに気づいたかのように窓の扉を開け、バルコニーに出た。生暖かい風が部屋に入って来たが、悪くはない。
空を見上げると黒雲が低く立ちこめていていた。そして空に向かって呪文のような言葉を口にした。
それは誰にも解読不可能な呪文だった。もっともここには今は誰もいないわけだが。
 すると黒雲から勢いよく黒い塊が飛び出し、男めがけて一直線に向かってくる。男は表情一つ変えもせず、それが当たり前だったかのように何もしないで立っているだけだった。
黒い塊はみるみるうちに男の身体を取り囲み覆って行く。中の物などお構いなしにただ覆うだけだった。
男自身が黒い塊になったかと思った時、弾け飛んだ。黒い塊は無数の小さな蟲の集まりであった。男は一言言葉を発すると蟲は空へと消えて行った。

 しばらくして一つの足音が聞こえてきた。気が立っているのかそのリズムは速い。
扉に近づくと勢いよく部屋に入って来た。
「どーいうことよっ!!」
 ヒステリックに声を発したのはオリーブ色をした長い髪の女だった。形のよいスマートな身体で服装は布が少なく肌があらわになっている。布地が多い服は彼女は好かないようだった。
「メーニャ様、どうされたのですか?そんなに慌てて」
 男は窓の外の景色を眺めていたが声の主に振り返り答えた。
「バルベリトが捕まったって聞いたわ」
 女は男に詰め寄った。
「ああ」
 男は短く答えた。一時期仲間になったことがあったが、今となっては大して興味も沸かない。
 バルベリトとは王の娘を使って自ら魔界の王となろうとしていた男だった。そもそも悪魔が悪魔を喰ったからと言って力を得るわけではない。あの王に踊らされていたとも知らずに見事にシナリオ通り動いて捕えられてしまった。
あれも哀れな男だと心の中でつくづく思った。

「そもそも貴方があの男に吹きこんだんでしょ?! あの少女の力を得る方法を。バルベリトが捕まったのはすべて貴方の策略だって言うわけ?!」
「まさか……。動いていたのは炬魏様だったんでしょう?だとしたらバルベリトの考えなどとうに気づいていたはず。それを知って泳がせたのは炬魏様ですよ。何しろ王の第一の息……」
「そんなもの! 私だって王の娘よっ!!」
 男の言葉を遮るように女はヒステリックに地団太を踏んだ。これだから女は面倒だと思う。感情に身を任せて言葉を発する。そんな生き物に何の価値があるのか。
「お言葉ですがメーニャ様。王が子として認められていらっしゃるのはあの三人のみです」
 メーニャは男のその言葉にカッとなった。
「そうよ、知ってわよ。そんなことっ! ヒムロに言われなくったってね。未だに名を与えられない私には何の興味もないことぐらい。王に新たに名を与えられ初めて子と認められる。それがあの双子の兄とベガなのよ!」
 メーニャは顔を両手で覆い泣き崩れた。本当に悪魔と言えど女は面倒だとヒムロは思った。
「彼の事は忘れましょう。元々王になる器ではなかったのですよ。あの少女が覚醒した今、やるべきことはあの煉樺と名付けられた少女を殺すこと……」
「でも、私があの子を殺したら父様は……」
「大丈夫ですよ、メーニャ様。貴女も王の娘なんですよ?あの少女がいなくなれば王もきっと貴女を娘として迎えるでしょう。貴女がこの世界の相応しい王女様ですから」
「そうよ! そもそもあの少女の成長を止めろと私に命令したのは言ったのは他でもない父であるあの王だったのよ?」
「そうですね。メーニャ様は身体の成長を操ることができますから」
「だから私はてっきりあの子の事、見放してるものだと思ってたのに……。あんな出来そこないに産ませた子供なんてっ」
「それこそ王のお考えだったのでしょう」

 そう、あの少女は楽園の女王の娘。王がその娘を手放すわけはないー。生粋の悪魔が辿りつけない場所、なりそこないの楽園。失われた土地と呼ばれた場所に住んでいた女王に何の用があったのかは分からないが、何か理由があることには違いなかった。

「じゃあ、ヒムロ。あの餓鬼を始末する方法でも考えてるっての?」
「あの少女が覚醒した今、簡単にはいかないでしょうね」
 それに……、少女の兄である炬魏がついている。
「あ、そうだわ! 朱魏を仲間に入れればいいのよ」
「朱魏様……ですか?」
「そう! あいつベガを憎んでるって聞いたわ」
 朱魏が少女に憎悪を抱いている言う話はメーニャ以外に誰しも知っている有名な話だった。母親に危害を加えることはなかったもののその噂は広まっていた。
生粋の悪魔でいることを誇りに思っているようで、なりそこないという存在は赦せないのだろう。
しかし、あの男は王に忠実だ。男はしばし考えた。
「朱魏様も敵に回すと厄介な存在ですが、彼は誰にもつかないでしょう。ですが彼がこちら側につくのならばやりやすいかもしれませんね。わかりました、彼は私が引き受けましょう。王女はあなた一人で十分ですから。メーニャ様」
 ヒムロはメーニャの左手をとると口づけた。
「期待してるわよ、ヒムロ」
 
 その言葉に安心したのかメーニャは笑みを浮かべ、部屋を出て行った。
 彼女がいなくなると、ヒムロは手に持っていた黒い布で唇を拭い取り床に放り捨てた。



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