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【2009-15】暑中見舞い申し上げます

Posted by チカ on 15.2009 *Galerie(イラスト)*   0 comments


暑中

ヴァンとウィズデス。この二人はよくセットで描いていました。
TOPも飾ってたしね。熱くてダウンしていたので涼しくなるような絵が描きたかったのデスよー。
で、思いついたのが↑のような構図に。ちなみに背景写真は自分で撮ったもの。
和ホラーデス。遊郭で餌を品定めしている吸血鬼二人組ってところデスかねー。
ちなみに食事をした後なんだけど、まだ足りなくて餌を求めてきたとそんな感じデスv



ohne sein Empfindung -想い- 第8話

Posted by チカ on 01.2009 *Roman(小説)* -煉樺-   4 comments
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第8話
-契約-

 あれ以来少女は魘(うな)されていた。眠ると必ずあの夢の少年が出てくるようになっていた。
だが、いまだに名前は思い出せない。そもそも会ったことがないというのに、なぜ夢にでてくるのか。
その少年の顔は覚えがあるような気がしていた。寂しそうにまた恨めしそうに何か言いたげな顔が深く印象的で目が覚めた後も頭に残っていた。
そんな少女の隣で寝ていた獣は少女を心配そうに見つめていた。
ベガヴァーチェは大丈夫だよと頭を優しく撫でた。
「もうそろそろつくころかもね」
 ヒュームは目的の場所を指さした。
 もうそろそろと言ったが、そこはまだ遠く離れていた。彼が指をさした場所は遥か空の先。薄暗い靄がかかっている雲のような場所であった。実際の位置関係を考えるととても徒歩でいけるような場所ではない。
いや、そもそもその位置さえつかめない。その場所へ行くにはどのくらいの日数が必要なのか。
ただひたすら歩いていたが、実際上に登るには翼が必要のはずだった。しかし自分にはその空を飛ぶ翼がない。そんな自分がどのようにしてあの見えないミドリーガルデンへ近づくことができるのか。
少女は不思議に思った。
「君ならいけると思うよ。翼がなくてもね」
 笑顔で笑う青年は時折寂しそうな少年の顔をする。
 なぜそんな顔をするのだろう?あの場所になにか思い出があるのだろうか??
聞こうとも思うが答えてくれない気がした。それに自分には関係ないことだ。
そして二人と一匹はまた歩き出した。

*

「なんだと!? この俺があの城へか?」
「はい。徴集がかかっております。至急お越し下さるようにと」
 バルベリトは舌打ちをした。そもそも徴収とはどういうことだ!?
自分の娘がいなくなったから探せということか?そしてそれは自分のの罪だといいたいのか。
バルベリトは娘のことはを王に黙っていた。それをどうやって知ったかはわからなかった。
だが、部下の行動などお見通しだったということだろう。
「急用が出来たと伝えておけ」
「は……、しかし……」
「聞こえなかったのか?」
 バルベリトは部下に鋭い眼光を放っていた。残虐で恐れられているこの主人は自分の機嫌で部下を殺す。今自分が生きていられるのは運がいいとしか言えない。だが、自分の代わりなどいくらでもいるが、死にたいわけでもない。
「りょっ、了解いたしましたっ! すぐにお伝えして参りますっ!!」
 部下は颯爽とその場を離れ走り去って行った。
ここを逃げ出した少女はいまだ捕えられずにいる。以前まではこんなことはなかった。少女の居場所はすぐにつきとめられていたのだから。自分がはめたアンクレットはまだ外されていないはずだ。あれはいわば鎖のようなものでつけた者の居場所はどこにいようとすぐにわかる物だった。そして自分以外誰もはずすことはできない。
普段自分以外の者には興味も持たなかったバルベリトだったが、あの少女だけは違っていた。
魔界の王とされる父の寵愛を一身に受けている少女。王は今まで自分の子供に興味を持っていなかった。あの双子の息子たちにもだ。だが、あのベガヴァーチェは何かが違うのだ。単なる思いすごしなのかどうなのか彼にはわからなかった。

*

 書記官としての役目を持つバルベリトは空いている時間は、書庫で時間を過ごしている。
ここは自分しか入れない地下の書庫。扉には暗号が書かれている。
それを解除できるのは彼一人だけだった。その暗号を解き、中へ入る。暗闇だった場所は光を放ち明るく本を照らしていた。
そこで偶然見た文献。それは表紙に鑓の模様と暗号のようなものが書かれていた。
(これだ。そうだ、あの娘は……っ!!)
ふいに閃光が走った!バルベリトはその光をかわした。だが、今まで見ていた文献は燃え尽きていた。
灰になった文献はさらさらと音を立て床に落ちて行った。
彼はその光をの先を見つめた。だが先には誰もいない。
視線を床に落とし、灰になった文献の修復を試みようとしたが、バルベリトにはそんな力はなくやがて屑も消え去っていった。
バルベリトは拳を握りしめ、散らばっていた本を焼きつくした。
本からはくぐもった悲鳴が聞こえ、部屋に響いていた。悲鳴は次第に掻き消され、それは人型の影となって現れた。
バルベリトは言葉を発すると、影は無言のまま部屋から消えていった。


 ふと少女は足を止める。周りは深々としていた。風がないのでざわつく様子もなく、今のこの状況も居心地がいいとはいえない。ふいにあるはずもない茂みに足をすくわれ声を上げた。
「また追手かもね。その歳でお尋ね者っていうのも厄介だよねぇ。まぁ、だからこそあの場所を目指すんだろうけど」
 青年は倒れそうになった少女を一目見、涼しそうに言った。少女は目で訴えながら声を高らめた。
「っ!! 誘ったのはっ!」
「そ、僕。悪魔は誘惑するとかいうでしょう?でも選んだのは君だ」
「わたしを誘惑した……の?」
 男は冷たい眼で少女を見つめる。まるでそれを責めているようなそんな目だった。
ベガヴァーチェは怯んだ。そもそも自分を唆したのはヒュームの方だ。
だが、それを選んだのはあくまで自分だ。そう、自分の意志のはず。
少女は何か言おうとすると、奥の岩陰より見えない影が近付いてきた。少女は身を強張らせた。
獣は何かを感じ取ったのか青い眼光を放ち低い声を出した。そして少女を守るように前足を出す。
黒とも白とも思えるその影はスピードを早めて近づいてきた。そして聞こえる雑音。
少女の耳を劈(つんざ)くような奇怪な声。追手なのか。影だと思っていたそれは人の形をしている。
「バルベリトの追手?」
 ベガヴァーチェは問う。影は目(だと思われる)をつりあげ、少女に飛びかかった。傍にいた獣は慟哭の声を上げた。
動きが一瞬鈍った。獣はそれを見逃さず影に襲いかかる。逃げる間もなく、獣の長い爪に掻き毟られた影は白い液体を流していた。
少女はそれを見つめ違和感を感じていた。同族ならば感じることのない違和感を。
ふいにヒュームを見る。その顔は寂しそうなしかし冷たい眼をしていた。
「契約か」
「契約?」
「あれ?? 悪魔なのに知らないの?」
「知ってる。誰と誰の契約なの。バルベリトが?」
 契約。悪魔がかわす契約とは自らの望みを叶える代償に命を捧げなければならない。そしてその相手は口外してはいけない。主従関係にしても言えることだ。力ある者に対して従わなければならない。だけどこれは……。
「人間だろうねぇ」
「人間……。悪魔は人を誘惑する」
「あっはは。人だけじゃないよ。天使も悪魔も誘惑する。今更でしょ?」
今更人間の死は嫌だなんていわないよね?同族は平気なのに。しかも魂だけの抜け殻なのに。
 ヒュームはベガヴァーチェの頭に語りかけた。彼の言葉は何故か心が痛む。
「……そう。平気。わたしも悪魔だから」
でしょ?そう言うと影を踏みつぶした。影からは流れるはずのない血が地面に広がった。
そう、それは白い血であった。白い血……、穢れなき白。なぜ人間の血が白いのか少女はわからなかった。血は赤いと決まってるのに。
「神に近い程血は白いとかいうけどね。悪魔と契約した者の血も白くなる。何故かわかるかい?何もなくなるからさ。恐怖も喜びも悲しみもすべて感じなくなる。無なんだよ。だから血も無になる。契約した者は徐々に無に近づいていく。君はどうなんだろうね?」
「どう……って」
 ヒュームが何を言いたいのかわからなかった。白い血なんてありえない。悪魔の血は赤いはずだ。
中には黒いのもいるのかもしれない。でも白はありえなかった。少女は自分の手を見る。腕にはバルベリトにつけられた赤いような緑色をしたブレスレットが付いており、同じく足にはアンクレットが光っていた。
ヒュームは笑いだした。
「まったく、ベガヴァーチェ様はすぐに本気にとるんだからっ! 真面目だねぇ。君が常に無でいようとするからねー、言ってみただけだよ。君って本当悪魔らしくないよねー」
「冗談……」
 顔は笑っているように見えたが、果たして冗談で言ったんだろうか?少女は思った。悪魔らしくない。その言葉は何回聞いた言葉だっただろうか。城にいた時も常に言われてた言葉だ。悪魔にだって色々いるはずだ。自分だけが特別というわけでもない。
「だいたい君は一体誰と契約したの? 仮にも王の娘と契約しようだなんて……って命狙われてるんだからいるかもしれないよねっ。……まぁ、ある意味王と主従関係なのかもしれないけど」
「……」
 あの王は親ではない。子であるはずの自分には力がないのだから。だからここには居場所がないのだと思う。
主従関係だというのなら自分を下僕にして何の意味があるのだろう。自分に感情があるわけでも、力があるわけでもない。役に立たない。
そう、役に立たない物などいらないのだから……。


  

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